新たな医用画像検査法の開発とその評価。
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概要

当研究室が目指しているのは「超スマート医療モデルの確立と、地域ヘルス・エコシステムの実現」.そのために以下の3つの研究テーマを柱に数々の取り組みを行っています.

  1. 医療機器開発
  2. 仮想臨床試験
  3. AI画像診断


 

1.医療機器開発

「胸部単純X線撮影」いわゆる胸のレントゲン検査は,肺癌や肺炎などの異常陰影を見つける目的で行いますが,呼吸状態を連続撮影することで,肺機能の評価をも可能にしました。私たちの研究室では,2003年頃から胸部X線動態検査の撮影プロトコルや動画解析プログラムの開発,さらに附属病院の医師と一緒にそれらの臨床評価を行っています。

呼吸状態を撮影した胸部X線動画像には、横隔膜や肺血・気管支の動きが描出されています。これに私たちが開発した画像処理を施すことで,肺機能をカラーで表現することに成功しました。被ばく量が気になるとは思いますが、従来の胸部X線検査と比較すると2倍程度。 胸部CTと比較すると100分の1程度なので心配ありません。さらに、立ったままの一番自然な状態の肺機能を見える化できることも特徴の一つです。 従来の胸部X線検査と同程度の「コスト」「被ばく」「検査時間」で実施できる次世代胸部X線検査といえます。

異分野融合・産学官連携による共同研究を経て、2018年に実用化されました。現在全国50以 上の施設で稼働しています。AIによる動画解析技術を導入することで,人の目では認識できない動きのパターン変化からわずかな肺機能異常を検出できるようにしたいと考えています。

 
将来展望
また,動画と静止画に対応する可搬型FPDも開発され,ポータブル装置での動画撮影も可能になりました。研究開始当初から目標としてきた,ポータブル撮影によるX線肺機能イメージング『診る聴診器』の実現も現実のものとなりました。肺野内の呼吸性濃度変化から,様々な生理現象をリアルタイムに理解できることから,将来的には術中支援や救急医療に応用される可能性もあります。提案手法は,頸椎&腰椎&手関節&膝関節などの全身の関節から嚥下運動まで,あらゆる部位で応用可能です。静から動へ,形態から機能へ。DRで機能を診る時代がすぐそこまで来ています。

次世代FPDイメージングの目指すところ(イメージ図)

 

 

2.仮想臨床試験

  • デューク大学との共同研究で,コンピュータシミュレーションによる仮想空間での臨床試験を行っています。目指しているのは,医療機器開発の加速化。医療機器の開発には通常10年スパンの時間を要しますが,臨床試験の一部を仮想空間で行うことで,実用化までの時間短縮をはかります。体型はもちろん,呼吸や心拍などの人体機能に至るまで,様々なパターンで仮想人体を作り出し,開発した技術の有効性を確認します。患者さんのニーズに迅速にこたえる新しい研究開発スタイルの確立を目指します。

 

 

3.AI画像診断,予防医学研究への応用 

  • 石川県予防医学協会との共同研究で,胸部検診CT画像 約7万件,枚数にして約700万枚の画像データベースを構築しました。顔写真から年齢を推定するAI技術を応用して,「胸部CT画像」から「肺年齢」を推定する試みや,臓器形状・大きさ・組成から  疾病リスクを予測する研究に取り組んでいます。AIによる画像診断を、病気の早期発見だけでなく,QOL向上につなげたいと考えています。

 

 その他   

  • 準備中